パーキンソン病にストレッチは効果的?理学療法士が目的・方法・おすすめの体操を解説

パーキンソン病では、筋肉のこわばりや前かがみの姿勢、動きの小ささなどから、身体を「硬い」と感じることがあります。そのため、「ストレッチをした方がいいの?」「固縮にも効果がある?」「どこを伸ばせばいい?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
ストレッチは、パーキンソン病そのものを治す方法ではありません。しかし、活動量の低下や同じ姿勢が続くことで起こりやすい筋肉や関節まわりの柔軟性低下を予防し、身体を動かしやすい状態に保つための運動として役立ちます。
一方で、パーキンソン病でみられる「固縮」と、筋肉や関節まわりの組織が短くなって動きにくくなる状態は同じものではありません。身体が硬いからといって、強く伸ばせばよいわけでもありません。
この記事では、パーキンソン病にストレッチがどのように役立つのかを整理したうえで、理学療法士の視点から、胸・体幹・股関節・下肢など部位別のストレッチ方法、行う頻度や注意点までわかりやすく解説します。
パーキンソン病にストレッチは効果がある?
パーキンソン病では、筋肉のこわばりや姿勢の変化、身体を動かす機会の減少などによって、関節を大きく動かしにくくなることがあります。
ストレッチは、こうした柔軟性や関節可動域を保つための運動の一つとして取り入れることができます。
ストレッチは柔軟性や関節の動きを保つために役立つ
ストレッチの主な目的は、筋肉や関節まわりの組織を動かし、身体を動かせる範囲を保つことです。
パーキンソン病では、前かがみの姿勢や身体をひねる動きの減少などがみられることがあります。その状態が長く続けば、病気による固縮だけでなく、活動量の低下や同じ姿勢が続くことによって、筋肉や関節まわりの柔軟性が低下する可能性があります。
米国理学療法士協会(APTA)の診療ガイドラインでも、関節可動域を改善する目的で柔軟性運動を行うことが示されています。ただし、ストレッチ単独の効果については研究が十分とはいえず、過大に期待しないことも大切です。
パーキンソン病そのものを治す運動ではない
ストレッチによって身体が動かしやすく感じることはありますが、ストレッチによってパーキンソン病そのものが治るわけではありません。
また、パーキンソン病でみられる固縮は神経学的な症状であり、単純に筋肉が短くなった状態とは異なります。
ストレッチは、病気そのものを治療するというよりも、柔軟性や関節の動きを保ち、日常生活やほかの運動を行いやすい身体の状態をつくる方法の一つと考えるとよいでしょう。
ストレッチだけでなく運動療法の一つとして取り入れることが大切
パーキンソン病では、ストレッチだけを行えば十分というわけではありません。
運動には、有酸素運動、筋力トレーニング、柔軟性運動、バランスや敏捷性を高める運動など、さまざまな種類があります。
ストレッチで身体を動かしやすくしたあとに、身体を大きく動かす運動や筋力トレーニング、歩行練習などを組み合わせることで、実際の日常動作につなげていくことが大切です。
パーキンソン病で身体が硬くなりやすい理由

パーキンソン病の方が「身体が硬い」と感じる背景には、固縮だけでなく、動作の小ささ、活動量の低下、姿勢の変化など複数の要因が関係します。
固縮によって身体のこわばりを感じることがある
パーキンソン病の代表的な運動症状の一つが固縮(rigidity)です。
固縮では、本人が力を抜いている状態でも筋緊張が高まり、腕や脚、体幹などを他者が動かしたときに抵抗がみられます。
本人には「身体がこわばる」「腕が重い」「肩や背中が硬い」といった感覚として現れることがあります。

動く量が減ることで筋肉や関節まわりが硬くなりやすい
パーキンソン病では、動作緩慢や疲れやすさ、バランスへの不安などから、以前より身体を動かす機会が減ることがあります。
関節を大きく動かさない状態が長く続けば、筋肉や関節まわりの柔軟性が低下する一因になります。
そのため、理学療法では「筋肉が硬いか」だけではなく、肩がどこまで上がるか、身体をどの程度ひねれるか、股関節や足首が十分に動くかなども確認します。
前かがみなど同じ姿勢が続くことも柔軟性低下につながる
パーキンソン病では、背中が丸くなったり、頭や身体が前方へ傾いたりする姿勢がみられることがあります。
同じ姿勢で過ごす時間が長くなると、胸の前側や股関節の前側などを十分に伸ばす機会が少なくなり、柔軟性が低下しやすくなります。
ストレッチを考える際には、単に「硬いところ」を探すだけでなく、普段どのような姿勢で過ごしているかを見ることも重要です。
動作が小さくなることで身体を大きく動かす機会が減る
パーキンソン病では、動作緩慢に加えて、動作の振幅そのものが小さくなることがあります。
歩幅や腕振りが小さくなる、寝返りで身体を十分にひねらなくなるなど、日常生活の中で身体を大きく動かす機会が減っていきます。
そのため、ストレッチで柔軟性を保つだけでなく、伸ばす・ひねる・大きく一歩を出すなど、実際に身体を大きく動かすことも重要です。
「固縮」と「身体が硬いこと」は同じではない

パーキンソン病の「固縮」と、筋肉や関節まわりの組織が実際に短くなっている状態は同じではありません。
この違いを理解しておくことは、「硬いから強くストレッチすればよい」という誤解を避けるためにも重要です。
固縮はパーキンソン病にみられる筋緊張の異常
固縮は、パーキンソン病を代表する運動症状の一つです。
本人が力を抜いていても、他者が腕や脚などを受動的に動かしたときに抵抗が感じられることが特徴で、大脳基底核を含む神経系の機能変化が関係しています。
つまり、固縮は単純に「筋肉そのものが硬くなった」という状態ではありません。
筋肉や軟部組織が短くなる「短縮」とは原因が異なる
一方、筋肉や腱、関節まわりの軟部組織などが十分に伸びにくくなり、関節を動かせる範囲が小さくなっている状態は、固縮とは分けて考える必要があります。
身体を動かす機会が減ったり、長時間同じ姿勢を続けたりすると、筋肉や軟部組織が徐々に伸びにくくなることがあります。
整理すると、
神経系の変化が関係するパーキンソン病の症状
姿勢や活動量、関節を動かす機会の減少などによって二次的に生じる身体の変化
このように考えるとわかりやすいと思います。実際には両方が同時に存在することもあります。
ストレッチで固縮そのものを治そうと考えないことが大切
ストレッチの目的を「固縮を治すこと」と考えすぎないことが大切です。
「固縮がある→筋肉が硬い→強く伸ばせば固縮が取れる」という考え方は適切ではありません。
ストレッチは、二次的な柔軟性や関節可動域の低下を防ぎ、身体を動かしやすい状態を保つための方法の一つとして位置づけて考えてください。
理学療法士としてパーキンソン病のストレッチを考えるときに確認していること

パーキンソン病の方にストレッチを考えるとき、私は「どの筋肉が硬いか」だけを見るのではなく、その硬さや動きにくさが、姿勢・歩行・寝返り・立ち上がりなどにどう影響しているかを確認することを大切にしています。
症状の現れ方には個人差があり、同じストレッチがすべての方に必要とは限りません。
「硬い場所」ではなく、どの動きが小さくなっているかを見る
「肩が硬い」「脚が硬い」と感じる場所と、実際に動作を制限している場所が必ずしも一致するとは限りません。
肩がどこまで上がるか、身体を伸ばせるか、体幹を左右へひねれるか、股関節や足首を十分に動かせるかなど、どの方向の動きが小さくなっているのかを確認します。また、直接筋肉を触って硬さを確認します。
立った姿勢・座った姿勢・歩いている姿勢を確認する
柔軟性は、寝た状態で関節を動かしたときだけでは十分に判断できません。
立つと身体が前へ傾く、座ると背中が丸くなる、歩くとさらに前かがみになるなど、姿勢や動作によって身体の使い方が変わることがあります。
そのため、立位・座位・歩行をそれぞれ確認し、その人が普段どのような姿勢で過ごしているかまで考えます。
柔軟性が問題かも?と考えても、実際のところは筋力低下が問題だった、骨や関節の問題だったということもります。実際には、姿勢や歩行分析をする・直接体に触れる・筋力を確認する、このような手段で最終的に判断していきます。
左右差や身体のひねりにくさを確認する
パーキンソン病では、症状が左右同じように現れるとは限りません。
肩の高さ、腕振り、歩幅、体幹の動きなどの左右差に加え、身体を左右へひねる動きも確認します。
左右差があるからといって「硬い側を強く伸ばす」のではなく、姿勢や動作の中でどのような左右差が生じているかを見ることが大切です。

ストレッチ前後で動作がどう変化するかを見る
ストレッチを行ったあとに「柔らかくなった気がする」だけで終わらせず、実際の動作がどう変化したかも確認します。
たとえば、
- 立った姿勢が伸びやすくなったか
- 身体をひねりやすくなったか
- 腕を振りやすくなったか
- 一歩を出しやすくなったか
- 寝返りや立ち上がりが行いやすくなったか
などです。
その人の日常生活で必要な動きにつなげて考える
最終的に大切なのは、身体を柔らかくすること自体ではなく、生活の中で必要な動きをできるだけ保つことです。
「後ろを振り向きにくい」「上着を着にくい」「寝返りがしにくい」「歩幅が小さくなってきた」など、困っていることは一人ひとり異なります。
理学療法士としては、こうした生活上の困りごとから逆算して、どの動きを確保したいのか、そのためにどのストレッチが必要なのかを考えます。
「硬い筋肉を伸ばす」のではなく、「生活の中で必要な動きを保つためにストレッチを使う」ことが重要です。
パーキンソン病でストレッチしたい主な部位
パーキンソン病のストレッチでは、すべての筋肉を同じように伸ばす必要はありません。
姿勢や関節可動域、日常動作を確認しながら、動かしにくくなっている方向を中心に取り入れます。
胸・肩まわり|前かがみの姿勢に対して
肩が前に出たり、背中が丸くなったりする姿勢が続くと、胸や肩の前側を伸ばす機会が減ります。
そのため、胸を開く、肩を後ろへ動かす、腕を上げるといった方向の運動を取り入れることがあります。
ただし、ストレッチだけで前かがみの姿勢が改善するとは限らず、姿勢練習や体幹・背部の運動と組み合わせることが重要です。
体幹・背中|身体を伸ばす・ひねる動きを保つ
パーキンソン病では、体幹を伸ばしたり左右へひねったりする動きが小さくなることがあります。
体幹の回旋(特に胸椎の回旋)は、歩行時の腕振りだけでなく、振り向く、寝返るといった日常動作にも使われます。
そのため、背中の筋肉を伸ばすだけでなく、体幹を伸ばす・左右へ回すなど、脊柱を大きく動かすことも意識します。
股関節の前側|股関節が曲がった姿勢が続く場合に
身体が前へ傾き、股関節を曲げた姿勢が続く場合には、股関節の前側を十分に伸ばす機会が減ります。
股関節が後ろへ伸びる動きは歩行にも必要です。
実際に股関節の伸びにくさがある方では、股関節前面を無理なく伸ばすストレッチを検討します。
太ももの裏側|膝や股関節の動きを保つ
太ももの裏側にあるハムストリングスは、股関節と膝の両方の動きに関係します。
膝を曲げた姿勢で過ごす時間が長かったり、実際に柔軟性が低下していたりする場合には、ストレッチの対象になります。
ただし、「パーキンソン病だからハムストリングスを伸ばす」と一律に考えるのではなく、膝や股関節の動きが本当に制限されているかを確認することが重要です。
ふくらはぎ・足首|立位や歩行に必要な動きを保つ
足首は、立ってバランスをとる、歩く、方向を変えるなど多くの日常動作に関係しています。
ふくらはぎの柔軟性が低下すると、足首を前方へ曲げる動きが制限されることがあります。
実際に足首の動きが小さくなっている場合には、ふくらはぎを伸ばして足首の動きを保つことが目的になります。
自宅でできるパーキンソン病のおすすめストレッチ
ストレッチは、痛みを我慢して強く伸ばす必要はありません。
ゆっくりと動かし、軽く伸びていると感じる程度を目安にします。転倒に不安がある方は、椅子や壁など安定したものを利用してください。
胸を開くストレッチ

背もたれのある椅子に座り、両手を身体の横または頭の後ろに置きます。
肩をすくめないようにしながら、胸を前方へ開くように身体を起こします。
腰だけを強く反らすのではなく、胸の前側がゆっくり伸びることを意識しましょう。
肩・肩甲骨まわりのストレッチ

椅子に座り、両腕を前からゆっくり上へ挙げます。
痛みのない範囲で腕を大きく動かし、肩甲骨も一緒に動かすことを意識します。
単に筋肉を伸ばすだけでなく、腕を大きく動かす練習として行うのも効果的です。
体幹を伸ばすストレッチ

椅子に浅く座り、背筋を伸ばして頭を上へ引き上げるように身体を起こします。そのまま両腕を上へ伸ばします。
前かがみになりやすい方では、普段とは反対方向である身体を伸ばす動きを意識します。
体幹をひねるストレッチ

椅子に座り、両腕を胸の前で組むか前方へ伸ばします。
骨盤はできるだけ正面に向けたまま、上半身をゆっくり左右へひねります。
反動は使わず、左右それぞれ無理のない範囲で行いましょう。
股関節前面のストレッチ

安定した机や椅子につかまり、一方の脚を後ろへ引きます。
身体を起こしたまま、後ろ側の脚の付け根の前面が軽く伸びる位置まで重心を移動します。
バランスが不安定な方は、無理に立位で行わないようにしてください。
太もも・ふくらはぎのストレッチ

太ももの裏を伸ばす場合は、椅子に座って片脚を前へ伸ばし、背中を丸めすぎないように身体を少し前へ傾けます。
ふくらはぎは、机や壁につかまり片脚を後ろへ引き、かかとを床につけたまま身体を前方へ移動します。
どちらも痛みではなく、軽く伸びていると感じる範囲で行います。
座ったままでできるストレッチ
立って行うことに不安がある方は、座位でも十分に身体を動かせます。
椅子に座ったまま、
- 胸を開く
- 両腕を上げる
- 身体を左右へひねる
- 膝を伸ばす
といった動きを組み合わせます。
大切なのは難しい姿勢で行うことではなく、安全な姿勢で普段小さくなっている動きを大きく行うことです。
パーキンソン病のストレッチはいつ・何分くらい行えばいい?
パーキンソン病のストレッチは、長時間まとめて行うより、無理のない範囲で継続することが大切です。
柔軟性運動は週2〜3日以上、可能であれば毎日取り入れることが一つの目安です。静的ストレッチでは、一つの動きを15〜30秒程度保持します。
毎日少しずつ続けることを基本にする
一度に多くのストレッチをするより、生活の中で習慣として続けることを意識しましょう。
毎日必ず全身を伸ばす必要はありません。朝は胸や体幹、夜は脚など、続けやすいように分けても構いません。
強く伸ばすより無理のない範囲でゆっくり行う
痛みを我慢するほど強く伸ばす必要はありません。
軽く伸びていると感じる位置で15〜30秒程度保持し、反動をつけず、呼吸を続けながら行います。
身体が動きやすい時間帯を選ぶ
薬の効き方によってオンとオフがある方では、比較的身体を動かしやすく、安全に運動できる時間帯を選ぶことも大切です。
「何時に行うか」を一律に決めるのではなく、自分が動きやすい時間帯を把握しておきましょう。

ストレッチ後は身体を実際に動かすことも大切
ストレッチをしたあとには、身体を大きく動かす運動へつなげることもおすすめです。
胸や体幹を伸ばしたあとに腕を大きく振る、股関節やふくらはぎを伸ばしたあとに歩くなど、確保した関節の動きを実際の動作で使います。
ストレッチをするときの注意点
ストレッチは自宅でも取り組みやすい運動ですが、痛み、転倒、服薬によるオン・オフ、血圧の変化などには注意が必要です。
痛みを我慢して強く伸ばさない
「身体が硬いから」と、痛みが出るほど強く伸ばしたり、反動をつけたりする必要はありません。
肩・腰・膝などに痛みがある方や、骨粗しょう症、関節疾患などがある方では、一般的なストレッチが適さない場合もあります。
バランスが不安定な場合は立ったまま無理に行わない
パーキンソン病では、バランス障害やすくみ足などによって転倒しやすくなることがあります。
不安がある場合は、
- 椅子に座る
- 壁や安定した机につかまる
- 家族や専門職が近くにいる環境で行う
など、安全性を優先しましょう。
立って行うことより、安全に目的とする動きを行えることの方が重要です。
オフ時間や体調が悪いときは無理をしない
オフ時間には、こわばりや動きにくさが強くなり、普段できるストレッチでも姿勢を保ちにくくなることがあります。
また、睡眠不足や発熱、強い疲労など体調がよくない日は、回数や時間を減らしたり、休んだりすることも必要です。
めまいや起立性低血圧にも注意する
パーキンソン病では、自律神経機能の変化などによって起立性低血圧がみられることがあります。
横になった状態や座った状態から立ち上がったときに、
- めまい
- ふらつき
- 目の前が暗くなる
- 力が抜けるような感じ
などがある場合は注意してください。
床やベッドでストレッチをしたあとには急に立ち上がらず、いったん座って身体の状態を確認してからゆっくり立つようにしましょう。
強い痛みや急な動きにくさがある場合は専門家へ相談する
強い痛みがある場合や、これまでとは異なる急な身体の変化がみられる場合は、無理にストレッチを続けないでください。
特に、急な歩きにくさ、転倒後の強い痛み、手足のしびれや力の入りにくさ、めまいや失神を繰り返す場合などは、医師や理学療法士などの専門職へ相談しましょう。
ストレッチだけでなく身体を大きく動かす運動も組み合わせる

パーキンソン病の運動では、ストレッチだけでなく、筋力トレーニングやバランス練習、歩行練習などを組み合わせることが大切です。
ストレッチだけでは動作の改善につながらないこともある
ストレッチによって関節を動かせる範囲が広がっても、それだけで歩幅が大きくなったり、立ち上がりやすくなったりするとは限りません。
パーキンソン病の動作には、柔軟性だけでなく、動作緩慢、筋力、バランス、動作の大きさなど複数の要因が関係します。
そのため、ストレッチで確保した動きを実際に使うところまでを一つの流れとして考えます。
筋力トレーニングやバランス練習も重要
歩く、立ち上がる、階段を上るといった動作には、関節の動きだけでなく筋力も必要です。
また、立位を保つ、方向転換をする、障害物を避けるといった場面では、バランス能力も重要になります。
そのため、自分の身体機能に合わせて、ストレッチと筋力トレーニング、バランス練習などを組み合わせていきましょう。
歩行や立ち上がりなど実際の動作につなげる
運動の最終的な目的は、ストレッチが上手にできるようになることではなく、日常生活の動きを保つことです。
たとえば、
胸・体幹を伸ばす → 立った姿勢を確認する
体幹をひねる → 腕を振りながら歩く
股関節・足首を伸ばす → 大きな一歩を出す
下肢を動かす → 椅子から立ち上がる
といったように、ストレッチした部位を実際の動作で使うことを意識します。
パーキンソン病とストレッチに関するよくある質問
ストレッチは、固縮そのものを治す方法ではありません。ただし、関節可動域や柔軟性を保ち、身体を動かしやすくする目的では役立ちます。
可能であれば、無理のない範囲で毎日少しずつ続けるのがおすすめです。体調が悪い日やオフ時間には無理をせず、頻度や時間を調整しましょう。
静的ストレッチでは、15〜30秒程度を一つの目安にします。反動をつけず、軽く伸びていると感じる程度で行います。
いいえ。強く伸ばすほど効果が高いわけではありません。痛みが出るほど伸ばすのは避け、無理のない範囲でゆっくり行いましょう。
使用できますが、転倒や床からの立ち上がりに不安がある方は注意が必要です。身体機能に合わせ、安全に使えるかを理学療法士などに確認すると安心です。
まとめ
ストレッチは身体を動かしやすい状態に保つために活用する
パーキンソン病のストレッチは、柔軟性や関節の動きを保ち、身体を動かしやすい状態に整えるための方法の一つです。
固縮と柔軟性低下を分けて考えることが大切
パーキンソン病の固縮と、筋肉や関節まわりの柔軟性低下は同じではありません。
ストレッチは固縮そのものを治す目的ではなく、二次的な硬さや動きにくさを防ぐために活用することが大切です。
自分の身体の状態に合ったストレッチを無理なく続けよう
必要なストレッチは、姿勢や関節の動き、日常生活で困っている動作によって異なります。
痛みや転倒に注意しながら、自分の身体に合った方法を無理なく続けていきましょう。
参考文献・参考資料
- Duñabeitia I, González-Devesa D, Blanco-Martínez N, Ayán-Pérez C. The effects of stretching in Parkinson's disease: A systematic review of randomized controlled trials. Parkinsonism & Related Disorders. 2025;134:107796.
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- Parkinson’s Foundation / American College of Sports Medicine. Parkinson’s Exercise Guidelines for Exercise Professionals. 2025–2026.
- Parkinson’s Foundation. Fitness Counts: A Body Guide to Parkinson’s Disease.
- National Institute for Health and Care Excellence(NICE). Parkinson’s disease in adults. NICE guideline NG71.






