パーキンソン病の運動療法|効果・種類と自宅でできる運動を理学療法士が解説

パーキンソン病では、薬による治療とあわせて、身体を動かすことがとても大切です。歩きにくさや身体のこわばり、バランスの低下などがみられることがありますが、適切な運動を続けることで、身体機能や日常生活の動きを保つことにつながります。
一方で、「どんな運動をすればいいの?」「筋トレやウォーキングは効果がある?」「自宅では何をすればいい?」「毎日運動したほうがいい?」など、運動について迷う方も少なくありません。
パーキンソン病の運動療法には、ウォーキングなどの有酸素運動、筋力トレーニング、ストレッチ、バランス練習、歩行練習など、さまざまな方法があります。大切なのは、一つの運動だけを行うことではなく、現在の身体の状態や生活上の困りごとに合わせて必要な運動を選び、無理なく継続することです。
この記事では、パーキンソン病における運動療法の目的や期待できる効果、代表的な運動の種類、自宅で取り組む際の考え方や注意点について、理学療法士の視点、筆者の経験からわかりやすく解説します。
パーキンソン病ではなぜ運動療法が大切なのか
パーキンソン病の治療では、薬物療法とともに運動療法が重要です。運動には、歩行やバランス、筋力などの身体機能を維持・改善し、日常生活をできるだけ自分らしく続けていく役割があります。
薬による治療と運動療法は役割が異なる
パーキンソン病では、レボドパなどの薬物療法によって運動症状の改善を図ることが治療の中心となります。一方、運動療法は筋力や持久力、バランス、歩行など、実際に身体を使う能力に働きかけます。
そのため、薬物療法と運動療法のどちらかを選ぶのではなく、それぞれの役割を生かして組み合わせることが大切です。
運動は「症状を改善するため」だけに行うものではない
有酸素運動、筋力トレーニング、バランス訓練などには、歩行や筋力、バランス、身体機能を改善する効果が報告されています。
一方、現時点では、運動によってパーキンソン病そのものの進行を止められると断定できる十分な根拠はありません。
運動は「病気を治すため」だけではなく、動ける身体をできるだけ保ち、日常生活や社会参加を続けるために行うものと考えることが大切です。そして、できるだけ早期に運動やリハビリを行うことが推奨されます。
身体機能と日常生活の動きを保つことが重要
パーキンソン病では、歩く、立ち上がる、方向を変える、寝返りをするといった日常の動作が徐々に難しくなることがあります。
運動療法では、単に筋力や柔軟性を高めるだけではなく、その身体機能を実際の生活動作につなげることが重要です。
診断後の早い段階から運動習慣をつくる意味
「まだ動けるから運動は必要ない」と思う方もいるかもしれません。しかし、症状が比較的軽い段階から身体活動について考え、運動を生活の一部にしておくことには意味があります。
早い段階で運動習慣をつくることは、身体機能を保つだけでなく、その後も継続して身体を動かしていく土台になります。
パーキンソン病の運動療法で期待できる効果
パーキンソン病に対する運動療法では、歩行やバランス、筋力などの身体機能だけでなく、日常生活や生活の質への効果も期待されています。
歩行・移動能力を保つ
パーキンソン病では、歩幅が小さくなる、歩行速度が遅くなる、方向転換が難しくなるなどの変化がみられることがあります。
ウォーキングやトレッドミル、歩行練習などを通して、歩行速度や歩幅、移動能力などの改善が期待できます。
バランス能力を高める
パーキンソン病では、姿勢を立て直す能力や重心を移動させる能力が低下し、転倒しやすくなることがあります。
バランス訓練では、重心移動、一歩踏み出す動作、方向転換などを練習し、立位や歩行時の安定性を高めていきます。
筋力低下を防ぐ
パーキンソン病があるからといって、必ず筋力そのものが低下するわけではありません。しかし、活動量が減ることで、脚や体幹などの筋力が低下することがあります。
筋力トレーニングによって身体を支える力を維持し、立ち上がりや歩行、階段などの生活動作につなげることが重要です。
身体の柔軟性や動かしやすさを保つ
筋固縮や姿勢の変化、活動量の低下などにより、身体を動かしにくいと感じることがあります。
ストレッチや身体を大きく動かす運動は、関節の動く範囲を保つ方法の一つです。ただし、ストレッチだけですべての運動症状が改善するわけではなく、ほかの運動と組み合わせて行うことが大切です。AXIS-PDでは、ヨガも推奨しています。
姿勢や身体の使い方を改善する
パーキンソン病では、前かがみの姿勢や体幹の傾き、身体を小さく使う動きなどがみられることがあります。
体幹を動かす、大きな動作を意識する、重心を移動するなどの運動を通して、姿勢や身体の使い方に働きかけます。
運動習慣は生活の質にも関係する
運動を続ける目的は、検査の数値を改善することだけではありません。
外出する、買い物に行く、家族と出かける、趣味を続けるなど、自分らしい生活を続けるためにも身体を動かす力は必要です。
運動療法では、「運動ができたか」だけでなく、「その結果、生活の中で何を続けられているか」という視点も大切です。
パーキンソン病の運動療法にはどんな種類がある?

パーキンソン病の運動療法にはさまざまな方法があります。それぞれ目的が異なるため、体力や身体機能、生活上の課題に合わせて選びます。
ウォーキング・有酸素運動
ウォーキング、自転車、トレッドミルなどの有酸素運動は、心肺機能や持久力を保ち、身体活動量を確保するために重要です。
動きにくさから外出や活動量が減っている方にも、無理なく継続できる有酸素運動を取り入れることが勧められます。
筋力トレーニング
スクワットや立ち上がり運動、マシントレーニングなどを通して、脚や体幹を中心とした筋力を保ちます。
単に筋肉を強くするだけでなく、立ち上がりや歩行など、実際の生活動作につなげていくことが重要です。

ストレッチ・柔軟運動
ストレッチや体幹を大きく動かす運動は、関節の動く範囲や身体の動かしやすさを保つために取り入れます。
ストレッチだけに偏るのではなく、有酸素運動や筋力、バランス運動などと組み合わせることが大切です。

バランス訓練
前後左右への重心移動、一歩踏み出す練習、方向転換などを行います。
転倒リスクが高い方では、一人で難しい運動を行わず、安全な環境や見守りを確保して行います。
歩行練習
パーキンソン病では、歩幅が小さい、足が出にくい、腕振りが小さい、すくみ足があるなど、人によって歩き方の問題が異なります。
歩行練習では、歩幅やリズム、歩き始め、方向転換など、その方が苦手としている動作を練習します。
音や床の目印などを利用する「外的キュー」が役立つこともあります。
姿勢・体幹の運動
前かがみや体幹の傾き、体幹の回旋の小ささなどがみられる場合には、胸郭や体幹を動かす運動、大きく身体を動かす練習などを行います。
太極拳
太極拳は、ゆっくりと身体を動かしながら前後左右へ重心を移動する運動です。
パーキンソン病では、バランスや移動能力などへの効果が研究されています。ただし、ほかの運動より必ず優れているというわけではなく、運動の選択肢の一つとして考えます。

ヨガ・ピラティス
ヨガやピラティスでは、呼吸を意識しながら姿勢を保ったり、体幹や四肢をコントロールして動かしたりします。
研究は行われていますが、有酸素運動やバランス訓練などと比べるとエビデンスが十分ではない部分もあります。ほかの運動と組み合わせて取り入れる方法があります。
症状や困っている動作によって必要な運動は変わる

パーキンソン病では、病名だけで運動内容を決めることはできません。
同じ症状に見えても、筋力、バランス、筋固縮、動作緩慢、姿勢など、関係する要因は一人ひとり異なります。
歩幅が小さい・歩きにくい場合
歩幅が小さい場合には、歩く距離を増やすだけでなく、歩幅を大きくする練習、リズムを利用した歩行、重心移動、体幹や腕の動きを含めた練習などを取り入れます。
すくみ足がある場合
すくみ足では、歩き始めや方向転換、狭い場所などで足が出にくくなることがあります。
床の線などの視覚的な目印や、一定のリズムなどを利用した外的キューが役立つ場合があります。ただし、どの方法が有効かには個人差があるため、すくみ足が起こる場面を確認することが大切です。
身体が硬い・動きにくい場合
身体の硬さには、筋固縮だけでなく、関節可動域の低下や活動量の減少などが関係することがあります。
ストレッチだけでなく、体幹をひねる、腕を大きく動かすなど、全身を使った運動を組み合わせます。
バランスが悪く転びやすい場合
バランスが不安定な場合には、前後左右への重心移動、一歩踏み出す練習、方向転換などを行います。
ただし、転倒しやすい方ほど自己流の難しいバランス運動には注意が必要です。
姿勢が前かがみになっている場合
前かがみには筋固縮や体幹機能だけでなく、脊柱や関節など複数の要因が関係する場合があります。
胸郭や体幹を動かす、大きく身体を伸ばす、重心を移動するなどの運動を行い、見た目の姿勢だけではなく、立位や歩行など実際の動作につなげていきます。
立ち上がりや寝返りが難しい場合
立ち上がりや寝返りが難しくても、筋力だけが原因とは限りません。
身体を前へ移動できない、体幹を回しにくい、動作が小さくなっているなど、動作のどこで難しくなっているのかを確認し、その部分を練習することが重要です。


理学療法士としてパーキンソン病の運動を考えるときに確認していること

パーキンソン病の運動を考えるとき、「パーキンソン病だからこの運動」と一律に決めることはできません。
リハビリでは、症状や身体機能だけでなく、実際の生活で困っていることや生活環境まで確認し、その方に必要な運動を考えます。
症状名だけでなく「生活のどの動作に困っているか」を確認する
振戦、筋固縮、動作緩慢、すくみ足など同じような症状があっても、それによって困っている生活場面は人によって異なります。
「歩きにくい」という場合でも、そもそも体が硬くて動かないのか、足がすくんでしまうのか、筋力低下があるのか、栄養状態がよくないのか、このような身体機能の問題があるのか。それとも、外出が難しいのか、方向転換で困るのか、自宅の狭い場所で足が止まるのかのように、生活場面で課題があるのか。
このように、「歩きにくい」を1つとっても必要な練習は変わります。
症状そのものだけではなく、その症状が生活にどう影響しているのかを見ることが重要です。
同じパーキンソン病でも必要な運動は一人ひとり異なる
年齢や病期が同じでも、筋力、柔軟性、バランス、歩行能力、活動量は異なります。
私がこれまで理学療法士として大切にしてきたことは、全員に同じ運動メニューを当てはめるのではなく、現在の身体機能や目標に合わせて内容や難易度を調整することです。
パーキンソン病だから○○のような運動を行うのではなく、身体機能のどこに課題があるのか、生活環境においてどのような課題があるのか、これらを少しでも改善していくにはどのような運動・リハビリプログラムを組んでいくことが望ましいのか。このようなことを常日頃考えながら調整していくことが大切です。
できる・できないだけでなく「どのように動いているか」をみる
「歩ける」「立ち上がれる」という結果だけでは、動作の問題が分からないことがあります。
立ち上がるときに身体を前へ移せているか、歩くときの歩幅や腕振りはどうか、方向転換をどのように行っているかなど、動作の過程を見ることが大切です。
理学療法士や作業療法士はこのあたりをチェック(評価)するのが得意分野です。他の医療従事者にはない視点と言えます。
立ち上がりが大変=筋力トレーニングをする
これではあまり意味がありません。立ち上がりのどこの過程に問題があるか評価し、その問題は筋力なのか、体の使い方なのか、体の硬さなのか、このように細分化して課題点を洗い出していきます。
オン・オフや運動しやすい時間帯を確認する
パーキンソン病では、薬が効いて動きやすい「オン」と、薬の効果が弱くなり動きにくい「オフ」によって身体の状態が変わることがあります。
普段の薬の効き方や動きやすい時間帯を把握し、できるだけ安全に運動できる時間を選びます。実はここはとても大切なポイントです。オフのタイミングで積極的にリハビリをしてもあまり効果が期待できません。できる限り、オンのタイミングで行うことが大切です。

転倒歴や生活環境まで含めて運動を考える
最近転んだことがあるか、どこで転びやすいかといった転倒歴も重要です。
さらに、自宅の段差や階段、廊下、手すりなど、実際に生活している環境も確認します。
運動能力だけでなく、その身体でどのような環境を生活しているのかまで含めて考える必要があります。
「正しい運動」よりも継続できる方法を一緒に考える
医学的に推奨される運動であっても、生活に合わず続けられなければ運動習慣にはつながりません。
ウォーキング、筋力トレーニング、ヨガ、太極拳など、その方が取り組みやすい方法は異なります。
「どの運動が一番よいか」だけでなく、その人が安全に続けられる方法は何かを考えることも大切です。
運動はどのくらいの頻度・時間で行えばいい?
パーキンソン病では、一度だけ長時間運動するよりも、生活の中で継続することが大切です。
Parkinson’s FoundationとAmerican College of Sports Medicine(ACSM)の運動推奨では、週150分程度の運動が一つの目安として示されています。
ただし、すべての方が最初からこの運動量を達成する必要があるわけではありません。

運動は毎日したほうがいい?
すべての運動を毎日行う必要はありません。
有酸素運動は週3日以上、筋力トレーニングは週2〜3日程度など、運動の種類によって推奨される頻度は異なります。
身体の状態をみながら、運動と休息を組み合わせましょう。
有酸素運動・筋力運動などを組み合わせる
有酸素運動、筋力、柔軟性、バランスなど、複数の身体機能に働きかけることが推奨されています。
一日にすべて行う必要はなく、曜日によって運動内容を変える方法でも構いません。
一度に長時間行う必要はない
有酸素運動では30分程度が一つの目安になりますが、最初から長時間続ける必要はありません。
体力に応じて休憩を入れたり、短い時間に分けたりしながら行う方法もあります。
無理なく継続できる運動量を考える
週150分は目標の一つであり、ノルマではありません。
これまで運動習慣がなかった方や転倒リスクがある方では、少ない運動量から始めることもあります。
自分に合った運動量を見つけ、継続することを優先しましょう。
自宅で運動するときに大切なこと

パーキンソン病の運動は、自宅でも行えます。
ただし、症状や転倒リスクに合わせて、安全に運動できる環境をつくることが重要です。
動きやすい時間帯を選ぶ
一般的には、薬が効いて比較的身体が動きやすいオンの時間帯に運動すると取り組みやすくなります。
毎日の症状の変化を把握し、自分が動きやすい時間帯を見つけてみましょう。
転倒しにくい環境をつくる
床に置いてある物や滑りやすいマットなどを整理し、十分なスペースを確保します。
立って行う運動では、必要に応じて安定した支持物を利用しましょう。
体調に合わせて運動量を調整する
睡眠や疲労、薬の効き方などによって、その日の動きやすさは変わります。
調子が悪い日は時間や回数を減らすなど、体調に合わせて調整することが大切です。
一人で行うことが危険な運動もある
転倒を繰り返している、すくみ足が強い、立っているだけでもふらつく場合には、難しいバランス運動などを一人で行うことには注意が必要です。
「一人でできる運動」と「見守りが必要な運動」を分けておくと安全です。
動画やオンライン運動を利用する方法もある
自宅では、運動動画やオンラインプログラムを利用する方法もあります。
ただし、画面で紹介されている運動が自分の身体機能や転倒リスクに合っているとは限りません。
無理にすべての動きを真似せず、自分に合った難易度で行いましょう。
現在、私たちAXIS-PDでは、ご自宅で安全に行えるパーキンソン病専門のオンラインプログラムを開発しています。AXIS-PD独自のメソッドを、動画を通じて安全に行えるよう設計しています。リリースまで今しばらくお待ちください。
運動療法は一つの運動だけ行えばよいわけではない

ウォーキング、有酸素運動、筋力トレーニング、柔軟運動、バランス訓練には、それぞれ異なる役割があります。
ウォーキングだけでは補いにくい部分もある
ウォーキングは非常に取り入れやすい有酸素運動ですが、筋力やバランス、柔軟性などを十分に補えないことがあります。
ウォーキングをやめるのではなく、不足している身体機能を別の運動で補うという考え方が大切です。
筋力・柔軟性・バランス・歩行を組み合わせる
歩くという動作にも、筋力、柔軟性、バランス、体力など複数の身体機能が関係しています。
現在の身体機能を確認し、必要な要素を組み合わせて運動を行います。
症状や身体機能の変化に合わせて内容を見直す
以前は適していた運動でも、身体機能や生活状況が変われば内容を調整したほうがよい場合があります。
一度決めた運動メニューを固定するのではなく、定期的に見直すことが大切です。
続けられる運動を生活の中に取り入れる
運動を続けるためには、効果だけでなく、本人が取り組みやすいかどうかも重要です。
無理なく生活に組み込める方法を選び、運動を習慣にしていきましょう。
運動するときに注意したいこと
運動を続けることは大切ですが、症状や体調によっては安全面への配慮が必要です。
転倒の危険が高い場合
転倒歴がある場合は、バランスを崩しやすい運動を一人で行うことには注意が必要です。
転倒を恐れてまったく動かなくなるのではなく、支持物や見守りなどを活用し、安全に運動できる方法を考えます。
すくみ足や姿勢反射障害が強い場合
すくみ足や姿勢反射障害が強い場合には、方向転換や不安定な場所での運動などに注意が必要です。
すくみ足に対する外的キューなども、専門家と相談しながら自分に合った方法を探しましょう。
起立性低血圧やめまいがある場合
パーキンソン病では、自律神経の影響などにより起立性低血圧がみられることがあります。
めまい、ふらつき、目の前が暗くなる感じなどがあれば無理に運動を続けず、症状が繰り返される場合には主治医へ相談しましょう。
オフの時間帯や体調が悪いとき
オフの時間帯には、動きにくさやすくみ足、バランスの問題が強くなることがあります。
可能であれば動きやすい時間帯を選び、睡眠不足や発熱、強い疲労などがある日は無理をしないようにします。
痛みや強い疲労が続く場合
運動後に強い痛みや疲労が長く続く場合には、現在の運動量や方法が身体に合っていない可能性があります。
痛みを我慢して続けず、運動の強度や時間、回数を見直しましょう。
自分に合った運動がわからないときは専門家に相談する
「運動したほうがよいのは分かっているけれど、何をすればよいのか分からない」という場合には、専門家に相談する方法があります。
AXIS-PDでも、無料の相談窓口がありますので、運動やリハビリのこと、生活環境で困っていることなどがあればお気軽にお問い合わせください。オンライン相談となります。
理学療法士による身体機能・動作の評価
理学療法士は、筋力や関節の動き、バランス、歩行だけでなく、立ち上がり、寝返り、方向転換など実際の動作も評価します。
そのうえで、現在必要な有酸素運動、筋力トレーニング、バランス訓練、歩行練習などを検討します。
医師やリハビリ専門職と相談しながら進める
薬の効き方やオフについては医師、歩行やバランスについては理学療法士、着替えや家事などの日常生活については作業療法士など、困っている内容によって相談する専門職は異なります。
必要に応じて複数の専門職と相談しながら運動を進めましょう。
一度決めた運動も身体の変化に合わせて見直す
症状、体力、歩行、バランス、生活環境などは変化することがあります。
定期的に身体機能や生活上の困りごとを確認し、「今の自分に必要な運動か」を見直すことが大切です。
パーキンソン病の運動療法についてよくある質問
毎日すべての運動を行う必要はありません。有酸素運動、筋力、柔軟性、バランス運動などを組み合わせ、体調に合わせて継続することが大切です。
ウォーキングは重要な運動ですが、それだけでは筋力やバランス、柔軟性などを補いにくい場合があります。必要に応じてほかの運動も組み合わせましょう。
はい。筋力トレーニングはパーキンソン病でも推奨されている運動の一つです。体力や転倒リスク、痛みなどに合わせて負荷を調整しましょう。
症状が進行していても、身体機能に合わせて運動することは可能です。座って行う運動や見守り下で行うなど、安全性に合わせて方法を調整します。
現時点では、運動療法によってパーキンソン病そのものが治るとはいえません。一方で、歩行やバランス、筋力などの身体機能を維持・改善するために運動は重要です。
安全に行える運動であれば、自宅で一人で行うこともできます。ただし、転倒しやすい場合やバランスが不安定な場合には、見守りや専門家による確認が必要なことがあります。
まとめ
運動療法はパーキンソン病の治療・リハビリで重要な役割をもつ
運動療法は、歩行、バランス、筋力、日常生活動作などを保つために重要です。薬物療法と役割は異なりますが、両方を組み合わせて取り組むことが大切です。
一つの運動ではなく複数の運動を組み合わせる
有酸素運動、筋力、柔軟性、バランス、歩行練習など、それぞれの目的に合わせて組み合わせます。
症状だけでなく身体機能や生活上の困りごとに合わせて選ぶ
同じパーキンソン病でも必要な運動は一人ひとり異なります。どの動作に困っているのか、どの身体機能に課題があるのかを確認して運動を選ぶことが重要です。
無理なく安全に継続できることが大切
運動は一度頑張るよりも、生活の中で継続することが大切です。体調や転倒リスク、オン・オフなどに合わせて調整し、自分に合った運動を安全に続けていきましょう。
参考文献・参考資料
- 日本神経学会 監修.パーキンソン病診療ガイドライン2018.医学書院,2018.
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